娘へ

あなたはこうしてできています

1歳半がハシゴを登り始めたら

「同じ月齢なのに、もう登れるってすごいですね」

とあるママ友さんが、1歳と7ヶ月くらいの和美がハシゴを登っているのを見て言いました。彼女のお子さんは、和美と誕生日が数週間違いでとても近いので、驚いたようです。

「おねーさんがいるからですかねー。何でも真似しますよね」などと言いつつも、少し嬉しい親バカのおっさんは、私です。

 


おねーさんの影響なのか、和美はいろいろなことが早めのようです。ハシゴを登るのも、その1つ。

公園にハシゴがあって、登ると滑り台ができて、それをおねーさんや友だちが楽しそうに登り降りしている・・・となったら、自分も当然してみたいと思うでしょう。

1歳半の和美も、たどたどしく登り始めました。最初は、手はどこにどうつかまったらいいのか、足はどこにどう置いたらいいのか分からず、文字通り手探りをしていました。

手と足をどこにどういう順番で動かすかなど、考えたこともないし考えるまでもない、と思いましたよ。でも実は、大人は忘れているだけで、誰もが小さいときに試行錯誤して身につけた運動技術なのかもしれません。

 


さて、和美さんには、まずはしばらく自分で頑張ってもらいました。で、どうしても上手くいかずイライラしてムキーッとなったら、手はここだよ、足はここだよと、とーさんがハシゴを掴んだり足を乗せたりして、次の一手を見せてやりました。


細かいことなのですが、難関は、

・体を持ち上げるタイミングと

・ハシゴの上(最上段)に登るとき

のようです。


力の弱い子供がハシゴを登る時は、まず両手で1つの段を掴みます。そして片足をかけます。

で、次はなに・・・?

ここで本人は迷います。ぶら下がったまま、ちょっと止まってたり。後ろで見守りながら、真剣な様子がなんか笑える。

 

次の選択肢は2つ。

両手片足で体を持ち上げるか、

後足を前足と同じ段にかけてから両手両足で体を持ち上げるか、

です。

 

どちらでも登れるのですが、とーさんは前者をさせました。体よりも後足が先だと、お尻を突き出して手足でぶら下がった状態に一瞬なるので、そこで手が滑ったら後ろ頭が大ダメージだからです。

なので、和美が片足をかけた(後足を下に残した)状態でお尻を持ち上げてやりました。

これを何度も繰り返していたら、ハシゴは自分で登れるようになりました。

 

次の難関は、ハシゴの上です。ハシゴを登りきると、次がありません。正確には、上の階というか、登って遊べる場所があるのですが、そこに上手く登れません。しばらく手探りをして、やっぱりムキーッてなります。笑える(笑いませんが)。

遊具によっては、最後に手をかけるところを作ってあって、それを「ここだよ」と見せてやれば登れるようになります。そういう気の利いたものがない場合は、手や指を少しでも引っ掛けられる所をなんとか見つけて、後は頑張るしかありません。どうしても登れなければお尻を押してやります。

公園によって、ハシゴのサイズや登りやすさは様々です。登りやすいハシゴはすぐ登れるようになりましたが、登りにくいものも3週間くらいで大丈夫でした。登れるようになってからもしばらくは、落ちそうになったときにキャッチできるように、すぐ後ろについて見ていました。

幸い、足を滑らせたのが一度だけで、落ちたりしたことはありませんでした。登り始めて1ヶ月半くらいで、離れて見ていても心配ないくらいになりました。


和美を褒めてくださったママさんのお子さんも、その時点で登る力はありました。現に1段目は登れていたんです。ただ、その子が登ろうとすると、「はいはい、危ないよ〜」みたいな感じで、子供を抱えてハシゴから降ろしていたんですよね。

そこで登らせるか、降ろすかは、親の判断次第です。どちらもそれなりに理があります。

 

 

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とーさんは、子供がしたいと思ったときに、できるだけさせてやるようにしています。だって、挑戦する気持ちを育てたいじゃないですか。挑戦と失敗を経験させたいじゃないですか。

世の中の大半の問題は正解がないので、アレコレ考えずに「まず、やってみよう」と行動してみた方が良いです。失敗したり間違ったりしながら、よりよく納得のできる答えを求め続ける方が、上手くいくんです。

大人は知恵があるので、アレコレ考えがちです。で、アレコレ考え始めると、リスクや問題なんていくらでも思いつきます。考え始めると不安や恐怖が大きくなって、動けなくなるんですよね。考えるよりもまず行動するクセを、子供の頃からいくらかでも持たせたいものです。

ノーベル賞を獲った小柴昌俊氏も「着想が浮かんだら、多少荒削りでもまず実験してみることだ」といったようなことをおっしゃっていましたよ(かなりうろ覚えですが)。ナイキさんも、「Just do it!」って言ってるじゃないですか。

 


靴下を自分で履きたい、椅子に自分で座りたい、チャックを自分でしてみたい、洗濯物を畳んでみたい、花に水をやりたい、おかずを皿に盛り付けたいなど、大人を見ていて「私もやってみたい!」ということはいくらでも出てきます。その時に、

・時間がかかるから

・効率が悪いから

・まだ無理だから

・危ないから

といって、やめさせたり親が代わりにしてあげたりするのは、大人都合の大きな機会損失です。「させない理由」を見つけて子供の挑戦する機会とやる気を奪ってしまうのは、ほんとーにもったいない。

子供がしたいと思った時にさせてやる、待ってやるって、もちろん、けっこう大変です。でも、それで子供が学ぶ事に比べたら、とーさんのガマンなんて小さなものですよ。