娘へ

あなたはこうしてできています

長子を優先する

 

子供が何人かいる場合は、長子を優先します。ウチであれば、長女の恵美がそれに当たります。

 


優先するというのは例えば、

・おもちゃをより多くもらえる

・遊びの種類や行動範囲が広い

・おやつや食後の果物の種類や量が多い

・本読みの時間をより長く取る

・花の水やりなどの手伝いをさせる

・長女の友達と遊ぶ

・1つのおもちゃを共有する場合は、長女が先に使う

などなど。

 


ウチの姉妹には2歳の年齢差があります。現在、長女3歳弱、次女1歳0ヶ月。次女はまだ食べられるものの種類や量に、制限があります。クレヨンは(絵を描かずに)食べてしまいます。花の水やりも、洗濯物を畳むことも難しいです。

なので、こういう扱いの違いが出るのは、今のところ自然で当然ではあります。今後、もっと違った内容と留意点が出てくるでしょう。

 


「優先する」と言うと次女が後回しにされている感がありますが、正確に言えば「年齢相応に公平に扱い、平等には扱わない」という事です。

 


姉妹間での公平さは、いつも意識していたいところです。ともすると、平等に扱ってしまうこともあるかもしれませんから。

 


水やりだってお絵描きだって、姉妹で一緒にすることはできます。でも、まずはお姉さんにきちんと教えるなり、練習させるなりした方が良いです。

「お姉ちゃんがしている(持っている)んだから、妹にもさせて(持たせて)あげたい。」という気持ちが起こることもありますが、そこは飲み込みます。

 

 

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すでに息子さん二人を成人まで立派に育て上げた知り合いが、私に次女が生まれた時にアドバイスをくださいました。

「お姉ちゃんの方が先に物事をよくわかるようになるし、お姉ちゃんは妹ができることで愛情が半減したと感じているから、お姉ちゃんをもっと大事にしてあげると良いよ。私は弟の方を大事に扱ったから、お兄ちゃんにはだいぶ我慢させてしまって後悔している。」と。

 


なるほどなー、と思いました。

下の子は上の子と比べて、体が小さかったり力が弱かったりできることが少なかったりで、ついつい守られがちかもしれません。ですが上の子だって2歳や3歳の幼児ですからね。誰かに守られるべきであることにはかわりません。ましてや、好きで(選んで)お兄ちゃんやお姉ちゃんになったわけでもないのに、「お兄ちゃんなんだから」という理不尽な理由で我慢させられるなど、言語道断でしょう。

ただでさえ、親の愛情が半分になってダメージを受けているのに。

 

 

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さて、私は上記のいただいたアドバイスに加えて、長子を優先するもう2つの理由を考えています。

それは、

・長女に注いだ愛情がやがて次女にも行き渡ること

・長女が次女のロールモデルになること

 

 

資本主義においては、

資本家は自分たちが富を持ち豊かになるほど、そのこぼれ落ちる分が貧しい人たちに行き渡り社会全体が豊かになる、というのが資本家の言い分です。ですが結局のところ、資本家は富をほとんど際限なく蓄え、低所得者層には富がなかなか行き渡らない状況が起こっていますが。

人間の欲望は、器の大きさが計り知れないし、制度上それを防ぐことができていないということですね。

 

「富」を「愛情」や「技能、経験、マナー」などに置き換えると、子育てにおける兄弟姉妹間で、上と同じような考え方ができます。ただ、結果が違います。

長女に愛情を注ぐほど、溢れてこぼれ落ちる分が次女に回ります。長女が身につけた語彙や話し方、お手伝いの方法、マナーなどはある程度は次女にも引き継がれます(と信じています)。

 


長女にいつも優しく接していると、長女は人に優しく接することができるようになります。次女にも優しく接するようになります。

長女にいつも笑顔で話しかけていると、長女もいつも笑顔になり、次女に笑顔で話しかけるようになります。

長女にたくさん愛情を注ぐ結果、次女は親からも長女からもたくさん愛されるようになります。

 


また、

長女が楽しそうにお手伝いをしていたら、次女もお手伝いがしたくなるでしょう。お手伝いの方法も教えてもらえるかもしれないし、見て学びもするでしょう。

長女が元気良く返事をしていたら、次女もするようになるでしょう。

長女が「ごめんなさい」と言えるのであれば、次女は謝ったり許したりすることを長女から知るでしょう。

 

 

逆に、次女を優先した場合どうなるでしょうか。

今まで一人っ子のように親の愛情を独占していた長女は、次女に(私の)かーさんととーさんをとられた、と言う気持ちになるでしょう。決して愛情が足りないわけではないとしても、喪失感は持つはずです。そして次女に嫉妬し、おもちゃを取ったり叩いたりなど、意地悪をするようになります。次女はそんなお姉さんを嫌い、長女は妹をますます疎ましく思います。マイナスを生むばかりで、良い事は1つもありません。

 

 

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恵美が2歳4ヶ月の時のこと。とーさんと2人で遊んでいて、隣の部屋で寝ていた次女が目を覚ますといつも、「かずみ、起きた!父さん、お仕事ちょっと行ってくるね!」と言って次女のベッドのところに行き、寝ぼけた顔を覗き込み、一緒に遊び始めたものです。そして、おもちゃをどんどんベッドに持っていってあげました。とーさんが次女を抱っこしてリビングに連れて戻り、ミルクを飲ませようと用意していると、隣の部屋から次女の布団やおもちゃをどんどん持ってきてあげました。

「かずみ、布団だよ。おもちゃこれね。」と。

 


和美がおもちゃで遊んだり歩いたりするようになってからは、おもちゃや場所を取り合うこともよくありますが、

和美にご飯を食べさせてあげたり、

和美が落としたものを拾ってあげたり、

和美の大事なぬいぐるみを届けてあげたり、

「和美、ご飯は座って食べるんだよ!」と口を尖らせて注意したりと、

今も相変わらず、世話好きのお姉さんです。