少しだけ待たせる
待つことの練習です。
待つことと我慢することを、身をもって覚えさせます。
1歳半くらいの頃から、待たせる必要がなくても「5分だけ待ってね」と言って、時々あえて待たせたりしました。
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長女の恵美が1歳半くらい、自由に歩けるようになると、家で仕事をしている私のところへ来て膝の上に登ってくるようになりました。遊んでほしいサインですね。
私は時計を目の前に持ってきて、数字を指差し、「5分だけ待っててね。この長い針がここに来るまで待つんだよ。そしたら、一緒に遊ぼうね。」などと言ってみたりしました。
もちろん、時計など読めないし、5分などという時間の概念も恵美にはありません。
でも、繰り返すうちに、「今じゃないんだな。ちょっとたってからなんだな。」と、何となくわかってきているように見えました。実際は、本人がどのように考えていたのかはもちろん不明です。
待つというのは、子供には難しいことです。いま遊びたいのに、いま食べたいのに、どうして待たなければいけないのかがうまく理解できないからです。
1歳半の時点では、理解はできなくてもいいでしょう。
2歳半になって、お腹が空いてもご飯の時間にならなければ食べられないことは、いくらか理解しているようにみえます。おやつも、時間になるまで(とーさんが出してくれるまで)待っています。というか、自分からせがむことをしません。
待つ理由を最初から理解する必要はありません。まずは、「待っててね」と言われたら待つ、これができたら十分です。理解は後からできるようになります。
以前は、車で出かける際に、アパートの外の共同ゴミ箱にゴミを捨てて来る、という場面がよくありました。
例えばこんな時に、恵美を車のチャイルドシートに座らせ、「1分待っててね。」と人差し指を立てて「1分」を示してから車のドアを閉め、車から離れてゴミを捨てに行くようにしていました。1歳8ヶ月くらいの時です。
もちろん、1分という言葉の意味はわかりません。でも、「イップン」という言葉は覚えました。
そのうち、「5分待ってね。」「3分待ってね。」などと数字を変えて示すようにしました。
「とーさんが5分って言ったら、長く待つみたいだぞ。1分って言ったら、すぐだな。」などと少しずつ理解してきているのではないかと思います。
2歳9カ月現在、数字は1から10までは数えられるし、数字の意味も少しは理解しているようです。
いつか数字と、「◯分待ってね」という言葉がつながって、とーさんの指示の意味が理解できるようになるでしょう。
指示するときに1つポイントにしていたのは、待つ時間を必ず具体的な数字で示すことです。あるいは、「何かの作業が完了するまで」待つように指示しています。
「ちょっと待ってね」「もう少し待ってね」では、どのくらい待ったらいいのかが(数字や時間を理解できる年齢になっても)わかりません。こういう曖昧な指示は、子供でも大人でも混乱したりストレスを感じやすくなりますよね。
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4歳児に15分間待たせるという実験がありました。「ホンマでっかTV」などで見ました。
マシュマロを目の前において、「15分間、食べないでガマンできたら、もう1つあげるよ。」といって、4歳児を1人にします。
これで15分間我慢できた子とできなかった(食べてしまった)子では、40年後の年収が大きく(数字は忘れました)違ったそうです。
待てるかどうかというのは、我慢できるかどうかです。
より大きなものを手に入れるために、小さなものを我慢したり待ったりできるようになったら、きっと将来、自分の欲しいものを手に入れたり達成できたりするようになるでしょう。
(後記)上記のマシュマロの実験は、後の実験により覆ったそうです。大人になってからの年収の差は、マシュマロを我慢できたかどうかではなく、知能の高くなる遺伝子を持っていることと家庭が裕福であることが関わるそうです。ダイゴ先生が言っていました。