娘へ

あなたはこうしてできています

親の表情に変化をつける

親の表情に、意識的に変化をつけます。特に私は、感情が顔にも行動にも言葉にもあまり出ない方なので、意識して感情を強調して振舞うようにしています。

 

目標は、

 

・笑顔         80%

・真剣な顔  20%

 

くらいを考えています。

 

ここで大切なのは、笑顔と真剣な顔とでギャップを作ることです。普段から笑顔で過ごしていると、真剣な表情で叱ったり説明したりした時に伝えたいことがより強く伝わるからです。

 

 

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とーさんが真剣な表情をするのは、

1 叱る時

2 子供とぶつかった直後に、大切なことを説明する時

3 冗談を言う直前

です。

 

 

 

1 叱る時

 

叱るのはどういう時かというと、

・(理解していてそれまで守れていた)きまりを守らない時

・人を叩いたり蹴ったりした時

です。

 

長女が2歳になるくらいまでは大きな声で強く叱ることがありましたが、2歳を過ぎたあたりからは同じ言葉でも穏やかに言い聞かせるくらいにしています。その頃には、真剣な表情でにらみ名前を呼ぶだけで、たいていの危険行為やマナー違反は止めるようになっていました。

人を叩いたり蹴ったりした時は、とーさんは怒ります。叩いた本人や被害者のためでもありますが、見ている私自身が不愉快です。

 

私が普段ニコニコしているだけに、急に真剣な表情になると、子供は「まずいぞ!」と察知して行動を止めたり改めたりします。

普段からできるだけ笑顔で過ごしているのは、もちろん笑顔が子供にいい影響を及ぼすからですが、前述したように表情にギャップを作り出すためでもあります。

 

いつもニコニコしている人が、急に真剣な表情になると、「あれ?」って気になりますよね。その時に注意されたり叱られたりしたら、真剣味が感じられ、注意や叱責する内容が大切なことなのだとより強く伝わります。

 

「この棚に上ると、危ないよ。落ちたら痛いよ。棚が倒れてくるかもしれない。危ないから、棚に上るのはやめよう。」と言ってきたら、「あぁ、そうだった。もう上るのはやめよう。」と思うでしょう。

「こら、和美を叩くんじゃない!和美が痛いだろ!?」と真剣な表情で怒鳴ってきたら、「これは本当にまずいやつだ。」とより真剣味が伝わります。

 

 

注意されてテーブルから降りたり、棚に上るのをやめたり、バスルームから出てきたりしたら、その真剣な表情のまま「そうだよ!いいぞ!できるじゃん!」と絶賛します。そして満面の笑みに切り替え、「とーさんの言ってる事、わかったね。良かったー。分かってくれて、嬉しいよ。」と、とーさんの喜びを伝えます。

ここでも、表情のギャップがあります。今度はプラスの方向です。笑顔を見て子供は安心し、いい気分を取り戻し、「この次は言われたことを守ろう」という気持ちになります。

 

 

 

 

 

2 子供とぶつかった直後

 

子供とぶつかって、ひどく泣かせてしまうことがあります。ぶつかるというよりも、とーさんが子供の要求を飲まないために泣かせてしまう、という状況ですね。

 

たとえば、長女が1歳半くらい、ご飯を食べたくなくて食べ物やスプーンで遊び始めた時のこと。

「もう、食べない?お腹いっぱいかな?」と言うと、それでも遊び続け、食べない姿勢を見せました。「じゃ、ご飯は片付けるよ。いいね?片付けたら、もうご飯はないよ。ごちそうさまでいいね?」何度も確認しましたが、やはり、食べない姿勢。

長女としては、ただちょっと遊び半分でご飯を拒否してみただけ、そういうポーズをとってみただけだったということは、もちろん私にはわかっていました。まだお腹は空いていたこともわかっていました。でも遊びをやめず、食べない姿勢も崩さなかったので、ご飯は片付けてしまいました。

1分もしないうちに、テーブルについたままの長女が泣き出しました。ご飯がなくなってしまったからです。とーさんは知らん顔をして、しばらくそのまま放っておきました。しばらく泣かせた後で、「どうした?なんで泣いているんだ?」などとトボけた顔で聞きました。まだ話せる言葉が20語くらいの長女は、もちろん返事などできません。

 

ここまでがニコニコ、ここからは真剣な表情にします。

 

「もしかして、本当はお腹空いてる?でも、ご飯いらないんだったよね?だから片付けたんだよ。もういらないのかと思ってさ。なー、恵美、ご飯を食べるときは、ちゃんと食べるんだよ。ちゃんとご飯を食べると、元気になってたくさん遊べるからさ。」だいたいこんなことを話しました。

あまりに泣くのでかーさんは心配していましたが、長女はすぐに泣き止み、落ち着きを取り戻し、笑顔で元気に残りのご飯を食べました。

食べ終わったらすかさず、「ぜんぶ食べたじゃん!すごいぞ!」などと、やはり満面の笑みで絶賛しました。

 

 

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表情に変化をつけることで得られる効果は、伝えたいことがより良く、より強く伝わるということです。表情に変化をつけるのは、プレゼンテーションのコツの1つということですね。そもそも親に伝えたいことがなかったら、子供には何も伝わりません。

子供に何を伝えたいかは、明確に(言語化)することにしています。その上で、上手く伝える方法を考えます。

 

 

ちなみに、3の「冗談を言う直前」は、緊張と緩和を作るということです。笑いの基本ではあるのですが、わざとらし過ぎる、くだらない冗談をとーさんは繰り返しているので、ウチの娘たちはおかしな笑いのセンスを身につけて育つかもしれません。申し訳ない。