言葉遣いの留意点 文法編
子供と話す時には、自分の言葉遣いに気をつけています。子どもの言葉遣いや文章構成は、親に大きく影響を受けるからです。
また、子どもの心のありようも、親の言葉遣いから影響を受けます。
以下、気をつけている事をまとめます。また思い出したものが出てきたら、随時更新します。
文で話す(主語をつけ、文末まで言い切る)
・コレね → 今日はこの服を着るよ
・ソファーの上だよ →ゾウさんはソファーの上にいたぞ
・それはとーさんの → その靴はとーさんのです
→文で話すようになる。
→文末表現が豊かになる。
→丁寧語や複文への発展が容易になる。
→長い文を作れるようになり、論理的思考を育てる。
be動詞(だ・です)の多用を避ける
・次はブロックだ 。 → 次はブロックで遊ぼう。
・かーさんはトイレです。 →かーさんはトイレにいるよ。
・おやつは3時だよ。 → おやつは3時に食べようね。
日本語では、多くの文を「だ・です」で終えてしまうことができます。便利ではあるのですが、多用すると子どもの動詞が増えません。
意識して「だ・です」を避け、適切な動詞を使います。
またこのことで、助詞を入れて話すようになります。
指示代名詞を避け、具体的な名詞を使う。
・それ取って。 → とーさんの帽子を取って。
・そこにあるよ。 → 恵美の椅子の下にあるよ。
・そうしたらズボンを履くぞ。 → 靴を両方とも履いたらズボンを履くぞ。
→ 語彙が増える
→(場所を具体的に示すので)位置関係が適切に理解できるようになる
→ 指示が通りやすくなる
(私のように)歳をとると、つい指示代名詞が多くなってしまいます。指示代名詞を使うと、文が簡単に作れるからです。逆に言えば、指示出代名詞を使わないと文がより難しくなり、アタマを使って話す必要が出てきます。子どもの成長にも、とーさんの老化防止にも役に立ちますね。
助詞を入れて話す
・とーさん散歩行くよ。 → とーさんは散歩に行くよ。
・公園、メイちゃん来るよ。 → 公園はメイちゃんが来るよ。
・ホラ、靴はいて。帽子どこ行った? → ホラ、靴を履いて。帽子はどこに行った?
助詞を入れて話す習慣があるかないかの違いは、文を書き始めた時に大きく現れてきます。会話では自然に聞こえていたのに、文を書くと途端に不自然でぎこちない日本語になります。
とは言え、パソコンや携帯での入力では、AIが適切な助詞を先に表示したり選んだりしてくれるので、将来的には問題ないポイントかも。
修飾語を付ける
・靴を履くよ → カエル君の靴を履くよ
・くまちゃんを持って行こう → 和美のくまちゃんを持って行こう
・牛乳は美味しいね → 恵美がいれてくれた牛乳は美味しいね
→ 形容詞や所有格に慣れる
→ より詳しく描写できるようになる
→ モノの特徴を捉えるようになる
数字で示す
・1分待っててね。
・たまごが3つあるよ。
・今日は本を5冊読むぞ。
・時計の針が6に来るまでに食べよう。
→ 理解や認識に具体性が出る
→ 目標が明確になり、行動開始をスムーズにする
→ 自分の行動を意識するようになる
「名詞など+する」は、意味が理解できたら「する」を適切な動詞に変えていく
・水鉄砲する → 水鉄砲で遊ぶ
・ブロックする → ブロックで〇〇を作る
・キレイキレイする → キレイに洗う
・脱ぎ脱ぎする → 脱ぐ
・おしりペタンする → ペタンとお尻で座る
・「お願いします」する → 「お願いします」って頼む
・「どうぞ」する → 「どうぞ」って渡す
名詞やオノマトペに「する」を付けるのは、赤ちゃん語の一種ですよね。1歳か1歳半くらいまでは、この話し方が子どもには理解しやすく有効かもしれません。親の言っていることが理解できて行動に表れる(指示が通る、誘いにのるなど)ようになったら、色々な動詞を使うようにします。
接続詞・接続助詞を入れる
・ご飯を食べるから、前掛けを持ってきてね。
・ちょっと風が強いけど、外で遊ぼうか。
・先ず、手を濡らすんだぞ。それから石鹸をつけるよ。
恵美が1歳半くらいの時に、「いちご、甘くておいしい。」と「て形」を初めて使いました。その頃から、これを意識して話すようにしています。
助詞を入れ、be動詞と指示語を避け、文で話すと、話し言葉としては一文が不自然に長くなりがちです。ですが、この時点ではこれでいいんです。
なぜなら、
長い文を、不要な言葉を削って短くするのは簡単なのですが、
短い文を適切に伝わる形で長くするのはとても難しいからです。