トイレトレーニング3 「ずっとオムツではダメなのか問題」への考察
どうしてオムツは、やめなければいけないのでしょうか?
いつまでもオムツをつけていたら、ダメですか?
「え?」って思いましたか?
「言っている意味がよくわかりませんが・・・」と?
ですよね、分かります。
この質問をかーさんや何人かの知り合いにしたら、いつも変な空気になりましたから。
変な空気になったところで、このエントリの要点を書いておきます。それは、「子供と取り組む課題は、ゼロベースで考えて課題をより細分化しよう」ということです。
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恵美のトイトレが泥沼にはまった頃、リビングのオシッコを拭き取りながら、ウンチでベットリのパンツを洗いながら、とーさんはこんな「ずっとオムツではダメなのか問題」を一生懸命に考えることで現実逃避していました。「パンツにならなきゃ、ダメですか?」と。
真剣に考えましたよ。それなりに答えも出ました。
結論は、「ずっとオムツでも良い」です。
ずっとオムツのまま成長していくことに、根本的な問題はないように思われます。
ただし、不便さや窮屈さ、人にバレた時に変な空気になるというリスクはあるので、オムツよりもパンツの方が良いです。
恵美はトイトレのさなか「オムツが良い!」と言っていました。本人に確かめなかったのですが、
「パンツじゃなくて、オムツでいいじゃん」
「トイレじゃなくて、オムツですればいいじゃん」
このどちらかを言いたかったのでしょう。
パンツでもオムツの時と同じように排泄していたので、その真意はおそらく後者だと思います。
つまり、
「トイレにわざわざ行かなくても、オムツやパンツでしちゃえば良いじゃん。履き替えれば問題ないでしょ?」
ということです。
トイトレで重要なのは「トイレで排泄できるかどうか」なんですよね。「はいているものが、オムツかパンツか」ってのはどうでもよくて。
とーさんの出した答えは、そもそも方向が間違っていました。
間違ってはいましたが、「パンツって良いよ」とは言わず、「トイレって良いよ」とは言い続けていたので、親子とも同じベクトルには(反対向きではあれ)乗っていたようです。
「ずっとオムツでも良い」という結論で、とーさんの気持ちは軽くなりました。
オムツを卒業しなければいけないのは、学校や幼稚園ではトイレで排泄しなければいけないからです。それがオムツ外れの年齢を決めていたり、急がせたりしている場合があります。なんなら、ずっと家にいるのであれば、ずっとオムツでも良いじゃないですか。
オムツ外れが遅くても、ずっとオムツでいたとしても、子供の何が悪いわけでもありません。親の育てかたが間違っているわけでもありません。
恵美の場合、韓国語の土曜学校が「オムツ交換はしません」ということだったので、そこに合わせて少し急ぐことになりました(間に合いませんでしたが)。これがなければ、もう少しのんびり、オムツ生活を謳歌していたかもしれません。
「3歳クラスなのに、みんなもうオムツじゃないの?」と少し驚きましたが、たぶんみんな卒業しているのでしょう。韓国は厳しいらしいです。知り合いの韓国人ママさんは、トイトレで「めちゃくちゃ叱った」と言っていました。彼女の子供は3歳で、当然のようにパンツでした。
子供との課題に取り組む時は、ゼロベースで考えることが重要だと改めて思いました。子供はいつもゼロベースで世界を見て、考えています。「子供の目線で見る」というのは、「ゼロベースで考える」ということとかなり近いです。
大人には当たり前のことでも、知識と経験が乏しい子供には「どうして?」となりますよね。「どうしてお腹が空くの?」とか、「どうしてとーさんはたくさん食べるの?」とか。
当たり前だからといって思考停止したり結論にスキップしたりしないで、ゼロベースで考えてみたら、子供がぶつかっている問題や抱えている悩みが理解できることがあります。
「ずっとオムツではダメなのか問題」も、ゼロベースの問いです。
トイトレについては、恵美にしてみれば、
トイレは
・行くのが面倒
・遊びを中断したくない
・トイレまでオシッコを我慢するのがしんどい
・便座が冷たくてヤル気なくなる
・お尻を拭くのは余計な仕事
・最後に手を洗うとか決まりが多い
・公園のトイレは汚い
・ショッピングセンターのトイレは遠過ぎ
対して、
オムツは
・いつでもオシッコできる
・どこでもできる
・遊びながらもできる
・出そうになっても急がなくて良い
・ズボンを脱ぐ手間もいらない
・汚れたらとーさんが換えてくれる
・オムツ交換はトイレに行く回数より少ない
というところでしょう。
これだけオムツに利点があり、トイレに不利点があるのであれば、オムツをやめてトイレに行く意味が理解できるわけがありません。オムツの中が不潔なことくらい問題なしです。いえ、不潔とすら思っていないかもしれません。
ゼロベースで考えると、子供目線の課題がいろいろと見えてきます。この一つひとつをクリアしていくことが、より細かく見たトイレットトレーニングです。
全ての課題に対して対策する必要はないですよね。ただ、少なくとも課題を知っているだけで、子供の一見「不可解」な行動や拒否反応も、理解したり共感的に対応したりできるようになります。イライラは少なくなると思います。
恵美は練習の甲斐あって、トイレでの排泄は4ヶ月ほどでできるようになりました。その後、それにもかかわらずトイトレが長引いたのは、上のような気持ちや考えが変わらなかったのが大きな理由と推測されます。バットの振り方はマスターしたけど、「バッターボックスで振ろう!」という気持ちや考えにならなかったんですね。あくまでも、推測ではありますが。
気持ちや考えを変えるにはどうしたら良いかというと、環境を整えて、あとは本人が変わるのを待つのみです。成長による変化も見込めます。
トイトレの前回エントリでも書きましたが、とにかくとーさんはできる限りのことはやりました。あとは天命を待つのみならば、気楽なものです。怒ったりイライラしたりすることも、ほとんどなくなりました。自分の意思でコントロールできるくらい、小さな感情になりました。
とーさんがここにたどり着くのに、どれだけの時間がかかったことか。とーさんの学びや成長のスピードは、恵美の成長の速さと比べるのも申し訳ないほどお粗末なものですよ。