娘へ

あなたはこうしてできています

嘘泣きは、なだめない

嘘泣きの時はなだめません。

 


嘘泣きは、甘えたい気持ちの表れでもあると思います。甘えたい時(抱っこしてほしい、一緒に遊んでほしい、一緒に寝てほしいなど)はできる限り希望に応えます。でも、嘘泣きは別です。

 

 

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先日の夜のこと。

 


長女の恵美が、夜寝る前の本読みのために、いつものように絵本を30冊くらい、本棚の前の座椅子の横に用意していました。

「これぜーんぶ読む!いっぱい読みましょ!」といつもやる気十分なのですが、たいていはすぐにとーさんか恵美のどちらかが眠くなって、5冊くらいで終了します。

 


本は全て1か所に高く平積みにして準備するのが、彼女のこだわりのようです。

ところが、まだうまく真っ直ぐに積めないため、本の山が雪崩のように崩れることが時々あります。

 

その夜も、雪崩が起こりました。

雪崩とともに泣き崩れる2歳9ヶ月。

 


ここまではよくあること。

 


たいていはなんとか気を取り直し、とーさんの助けも受けて積み直します。が、この日は泣くばかりでなかなか動き出せません。


恵美は抱っこしてほしそうに大声で泣いていました。少し寝不足だったこともあり、ひときわ大声で泣きました。泣いて訴えることはありますが、泣き続けることはめったにありません。

 

途中からそばにやってきたかーさんは心配して、「抱っこしようか?」と何度か私に提案しましたが、とめました。今抱っこするのは違うと、上手く説明できないけれども感じたからです。

 

 

私のとった対応は3つ。

普段と同じ態度で、

1 「どうした、恵美?本か?とーさんが手伝うから、一緒に積み直そうか?」などと提案

2 「せっかく積んだ本が崩れちゃったんだもんな。そりゃ、悲しいよな~。」などと気持ちを代弁

3  何を言ったかは忘れましたが、全く違う話題を振って気を逸らす

 

 

長く感じたけど、5分くらいで泣き止んだと思います。泣き止んでからしばらくは、ふてくされて本を叩いたり、とーさんから目を逸らして手を振り払ったりしていました。

ふてくされるのも、めったにないことです。生涯2回目かな。

 

 

 

「ほら、とーさんが手伝うからさ、一緒に本を直そうぜ!」などと元気に声をかけ続けていると、そのうち恵美も元気と笑顔を取り戻しました。そして、とーさんの元気がなくなるまで本を読んで寝ました。

 

 

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どうして抱っこしてなだめるべきでなかったか、その場では自分でもよくわかりませんでした。その理由を後で考え、それなりにまとまったので書いておきます。

 


どうしてかというと、

泣けばなんとかなるという認識を持たせたくなかったからです。

 


泣くことで何かを解決したり、自分の要求を通したりするような人になってほしくはありません。

泣くのではなく、言葉で表現したり、自分で行動したりすることで解決することを学んでほしいです。

今回であれば、自分で本を直し始めるか、「手伝って!」の一言があれば、とーさんは動きました。

 


甘えたい気持ちには応えます。

 

嘘泣きは、甘えたい気持ちの表れかもしれません。ですが、嘘泣きという方法が良くないですね。ここで(本人のアクションがないうちに)抱っこしてなだめ、本を直してあげたりしたら、恵美は1つ学習するでしょう。

「泣けば言うことを聞いてくれるんだ。涙は武器になるんだ。」と。

 

 

 

今回は、嘘泣きということがすぐに見えました。目が泣いていないですね。それと、こちらの動きを読むように、時々チラ見していました。チラ見して、とーさんが何もしてくれなさそうだと分かると、少し泣き声が大きくなります。この駆け引きからも、嘘泣きだと思われました。

 


おそらく、恵美に悪意はなかったと思います。つまり、泣くことで親をコントロールしようなどとは思っていなかったでしょう。

 


最初は、本当に悲しくて泣いていたのだと思います。でも、すぐに気持ちは収まったのでしょう。とは言えここですぐに泣き止んだら、プライドが許しません。ただそれだけのことだったのではないかなと推測しています。

そういう時は、泣くことをやめるための言い訳を用意してあげます。

この推測が正しかったとしたら、今回のとーさんの対応はあまり効果的ではなかったと思います。

そして、事態はあっさりと(何が効いたのかわからないうちに)収束しました。

 

 

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林修先生は、親の役割は

・見つめること

・信じること

・躾けること

だとおっしゃっています。

 


子どもを愛しむというのは、抱っこしてあげたり、泣いていたらなだめたりすることばかりではありません。

 


子どもをきちんと見つめて、その子に何が必要なのかを判断し、その上で自分の振る舞いを決めて実行し、後は子どもの力や成長を信じて待つことです。

 


この夜、恵美も私もかーさんも、少しずつ成長したと思います。