「だから言ったじゃん」って、ホントーに余計なセリフ
先日、「だから言ったじゃん!」というセリフがのど元まで出かかってやっと飲み込んだ、父親修行中のとーさんです。
娘2人ととーさんは毎週火曜日、友達何人かと科学博物館に集まって遊んでいます。先週火曜日の朝、いつものように出かける準備をしていたら、小さくてキレイなヘアピンがいくつも入った小箱を恵美が持って出かけようとしていました。
「それ持ってくと、どっかで落として失くしてしまうぞ。家に置いて行こう。」
とーさんは説得を試みたのですが、どうしても持っていくと聞かない恵美。
失くすかもなどという可能性を考えるようには、3歳の脳はできていません。
で、結果、2つ失くしました。
しかも、一番大事そうなキレイなのを。
火曜日は結構あわただしくて、午前は日本語プレイグループ、午後は科学博物館で別のグループの友達と3時まで遊び、1時間くらいかけて渋滞の中を寝ながら帰ります。2人とも、車の中でも(家に着いてからも車中でそのまま)2時間くらい平気で寝たりするので、科学博物館を出る(=寝始める)時間が遅くなると晩ご飯も夜の寝る時間も押してしまうことになります。それに、3時半を過ぎると渋滞がひどくなり、帰宅が遅くなります。
なので、3時まで力いっぱい遊んで、サッと車に乗り込んで帰りたいところ。
建物を出て路駐している(少し離れた)車まで歩き、和美を乗せ、恵美を乗せ、カバンを積み込み、ベビーカーをたたんで積み込んで、さー帰ろうかと言うところで、
「あれ?ないよ。」
大切に持っていた小箱を開けてみると、ヘアピンが2つ足りません。
むむっ・・・と思いましたが、そこは抑えて
「その辺に落ちてるんじゃないの?」
と、まずは周囲を探してみることに。
ポケットの中、カバンの中、チャイルドシートの上やら下やらどこを探しても見つかりません。車の周辺にも見当たりません。
「んー、どっかに落としてきたみたいだな。こりゃ見つけるのは難しいから、諦めるか・・・。」
と言うと、
「うっうっうっ・・・」
と泣き出す3歳。
おいおい!泣きたい気持ちは分かるけどさ、勘弁してくれねーかな?!もう全部、車に積み込んだんだよ。和美は寝かかってるよ。それを車から降ろして、見つかるかもわからない小さいヘアピンを探しに行くって?渋滞ひどくなるよ。帰りは何時になるんだよ。かーさん待ってるよ!ご飯まだ作ってねーんだよ!
だから言ったじゃん!!失くすから家に置いておこうって!!
ついにイライラが頂点に達してのど元まで出かかった、この「だから言ったじゃん!」をグッと抑えて飲み込みました。
よく頑張ったぞ、おれ。
なんで飲み込んだかって、「だから言ったじゃん」というセリフは、とーさんの感情を子供にぶつけているだけで、問題は解決しないし、子供にはなんのプラスにもならないわ、マイナスにもなるわで、良いことがまるでないからです。
「だから言ったじゃん」というセリフで
・とーさんが正しかったことを押し付けがましく子供に確認させ
・とーさんは正しくて、自分(恵美)は間違っていたという失望感や無能力感を与え
・自分は失敗して、しかもそれはいけないことだったんだという、失敗を恐れる気持ちを植え付け
・とーさんは自分を信頼していないんだと信頼関係に溝を作り
・とーさんのイライラは自分のせいだと罪悪感を覚えさせ
・今後はとーさんの言うことは聞くべきと思考停止させることに、
なんの意味が?
とーさんのように、いつも子供のそばにいる人の役目は、挑戦と失敗を安全にたくさんさせてやることです。
恵美がヘアピンを持って行きたければ、持って行かせればいいでしょ。
で、失くしてガッカリするもよし、探しに戻って時間を(余分に)使うのもよし。
とーさんはそれを見守り、必要ならば喜んで全力で手伝う、それだけでいい。(持っていくべきではないという)正解を最初から押し付けたり、(持って出たこと、失くしたことを)咎めたりするのは、ホントーに子供の成長のジャマです。