娘へ

あなたはこうしてできています

「世界は楽しいことであふれている」という世界観を示す

世の中はすべて、見方しだいです。

 


同じもの、同じ現象を見ていても、人(見方)によっては楽しかったり、つまらなかったりします。

 

 

とーさんは、新潟県の田舎町に生まれ育ちました。人口1万人くらいの小さな町です。それを「何もない町」という人もいれば、「豊かな緑ときれいな水、きれいな空気がある町」という人もいます。


近所の山を、「単なる山」と見る人もいれば、「キノコ、山菜、筍などが見つかる、宝の山。冬は自然のスキーゲレンデ」と考える人もいます。

 

 

どちらの見方も、間違いではないですよね。ただ、「何もない」という人は、想像力も創造力もなさそうだし、否定的で活力に欠けグチっぽい人に思われます。

 


日が照れば「青空がきれいだな。気持ちのいい日になるぞ。」と心を踊らせ、

雨が降れば「草木が喜んでいるだろうな。雨の音って落ち着くよね。」と喜ぶような、

ものごとの良い面を見つけたり想像したりする心を子ども達には持ってほしいと願っています。

その一歩手前で、まずは「世界は楽しいことであふれている」という楽観的な世界観を持ってほしいです。

 

 

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先日、家の近くの公園に行こうと、ベビーカーに子供達を乗せて出かけました。少し日差しが肌に痛いくらいの、よく晴れた日でした。

恵美は「歩く!」と言い、途中からベビーカーを降りて歩き出しました。公園まで20分ほど歩くので、着いた時には疲れてしまうかなとも思ったのですが、本人が歩きたいというのだから良いでしょう。

車の来ない芝生の中の散歩道です。ベンチに腰掛けたり、横道に逸れたりして、きゃっきゃ言いながら歩いていました。とーさんも、恵美に時々目をやりながら、和美の乗ったベビーカーをのんびり押して歩いていました。

 

公園がすぐそこにまで近づいた時、突然、

「バシッ!」とムチを打つような音と

「きゃー!」という恵美の悲鳴があたりに響きました。

マグパイの攻撃です。

一瞬、戸惑いましたが、マグパイが再び飛びかかってきて状況が理解できました。

上を見上げると、そのマグパイが木の上からこちらの様子を伺い、すきあらば攻撃しようと構えています。


マグパイの攻撃はとても強く、ヘルメットも割ることがあると聞いたことがあります。知り合いは、目をかすめて病院に行ったそうです。目に直撃を受けていたら、失明するところでした。


「早く逃げて!また来るよ!」近くにいた人が、私たちに叫びました。

その直後に、ビューっと風を切る音に続きバシッという羽音。ぎゃー!と泣き出す恵美。

すぐに恵美をベビーカーに乗せ、その場から離れました。

恵美は私の影に隠れ、私には直接は攻撃してこなかったので、誰も怪我はしませんでした。


マグパイの巣が近くにあって、親鳥が卵を守っているのだろうと、その人が教えてくれました。


「公園!公園!」と、意気揚々と出発した恵美は、すっかり意気消沈。ベビーカーの中で小さく丸まったまま家に帰りました。

 


恵美は以前にもマグパイの攻撃に何度もあって、数週間もの間、怖くて外に出られなくなったことがあります。

その時は、鳩の鳴き声を聞くだけで泣き出していました。

 

 

 

さて、とーさんはどのように対処しようか。。。

静かな帰り道、ベビーカーを押しながら考えました。

 

で、いろいろ考えた挙句、

 

「マグパイは恵美と遊びたかったんじゃないかな。でも、急に飛びついてきたからビックリしたよね。『恵美ちゃん、あそぼ!』って言ってきてくれれば良かったのにね。今度は一緒に遊べるかな。」

 

 

「お花畑」感が甚だしいのですが、今回はこんな感じのことを話して聞かせました。

「人も動物も自然も、自分の友達であり味方だ。」そして、「世界は楽しいことで溢れている。生きているって楽しい!」とーさんは子供たちにいつも、こういう世界観を示しています。小さいうちは、こういった無条件の楽観的な肯定感を持ってほしいです。


現実的な危機管理方法は(もう少し大きくなったら?)身につければいいでしょう。

 

 

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自分の存在や、人生や世界を肯定できなかったら、生きていくって難しかったり辛かったりします。人生が、生きる目的や意味を探す、マイナスをゼロに戻すための旅になりそう。

それはそれで良いんだけど、そんなのすっ飛ばして、「人生って楽しいよね。じゃ、次は何をしよう?」という、ゼロの地点に立ってプラスを考える生き方をしてほしい。


だって、こっちの方が楽しいでしょ。